私が中古車業界に入った時は、まだ現車引き回しのオークション会場でした。デジタル化が進んだ現在は全国各地のオークション情報がリアルタイムで閲覧できます。タイムラグもほとんど無く瞬時に欲しい車を落札することが出来ます。また競り上げ方式だけではなく入札制度や一発落札など落札方法も多岐にわたって来ました。そんな時代になる前には経験という名の恥ずかしい失敗もしております。今回はほんの少しだけ私の失敗談と培った経験、また裏話を公開します。
【Aボタン間違い事件】
オークション会場では『ポス席』という席に座りながら競りに参加します。ポス席には身分を証明する『ポスカード』を差し込む場所があり、器械が認知して初めて競りに参加することが出来るのです。
競りに参加するということは『応札』出来るということ。1プッシュ3.000円~5.000円跳ね上がる方式がほとんどです。大失敗したあの日は、下見に思いのほか時間が掛かり、急いで競り会場に戻ったのです。落札希望車の出品時間まで残り僅かということもあったのですが、慌ててしまい『Aボタンと色違いのBボタン』を一生懸命応札して、全く欲しくもなかった古いメルセデスベンツを落札してしまったことです。
↓↓(培った経験)↓↓
この経験から下見時間にゆとりを持つことにしました。そのお陰でこれまで以上にしっかりと下見をすることが出来るようになり、このような失敗は皆無となりました。
【3点評価が0点評価に・・・】
『オークションの評価基準とは』でも説明した修復歴に関する外装評価点が3点のトヨタマークⅡを地方オークション会場で落札しました。この時、埼玉県にある某オークション会場ではトヨタ系の車種が高値をキープしていた時期だったのです。地方オークションで安く落札したマークⅡをこの埼玉県の会場に直接送り、オークション間の売買で利益を得ようとしたのです。しかし、評価点3点だったはずのマークⅡが埼玉県のオークションでは0点となっていたのです。バックパネルという部位の修理方法の考え方によって評価点が変ってしまうことをうっかり忘れてしまっていたのです。『修復歴無し』を購入したはずが、オークションを変えただけで『修復歴有り』になってしまったのです。
↓↓(培った経験)↓↓
この経験から各オークションの癖や特徴などを考慮するようになりました。検査員の基準も大分統一化されてきましたが未だにバラつきがあるのが現状です。ですからそのようなことがあるということを情報開示することを徹底しています。
【マル秘裏話】
オークションには『談合コーナー』や『商談コーナー』というものが設置されています。このコーナーは流札してしまった車両を金額交渉しながら落札するというコーナーなのです。最低商談価格というのは最終応札価格から○円以上スタートとなっている会場がほとんどなのです。ですから高値で売りたい業者は仲間内で最終応札価格を「○○万円までサクラして!」と頼むのです。各会場でこのようなことが繰り広げられているのです。そのようなことも考慮して相場を読む必要があるのです。